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子供英会話の 英語発音を お母さまと 考える
清水 由梨さんは 東京都 杉並区在住、7才の双子姉妹のお母さま。 子供たちと授業時間を分割して MyPace English (MPE) で 英会話 個人レッスンを受講中です。
清水さん: 娘たちの 英会話レッスンを見学して 一番印象に残ることは 英語発音の教え方。 学生時代は 教科書の英語にカナを振って 暗記していた 私とは ずい分違う アプローチですね。 子供たちは 何で私より 英語の発音が良いんでしょう?
ご自身の英会話学習にも熱心な 清水さんと 英語の発音の仕組みについてお話ししました。
清水さん: 英語は発音が悪いと通じないのでしょうか?
MPE: 飲食店の名前でも Denny’s (デニーズ)はカタカナ発音でも 通じますが、Mcdonald’s (マクドナルド) は カタカナ英語では通じません。 女性の名前でも Jane (ジェイン)はカタカナ発音でも通じますが、Elizabeth (エリザベス)はカタカナ英語では 通じません。 * カタカナ発音で 通じない 英語の音を 負の転移 と言います。 これを直すことは 英会話講師の力を借りないと難しいと思います。
* 言語転移(Language transfer): 母国語の規則を、無意識のうちに 外国語にも適用してしまうこと。
例) Jane はカタカナ発音そのまま “ジェイン” で使えるので 正の転移。 Elizabeth を “エリザベス” と発音しても 通じない ⇒ 負の転移。
清水さん: 短い英単語の方が、発音が易しいということですか?
MPE: いいえ むしろ逆です。 短い単語ほど 発音の基礎がしっかりしていないと、アメリカ人に通じません。 例えば “Add an egg.” この短い英語フレーズが 通じない、また 聞き取れない。 多くの日本人に共通する 課題です。
実技の結果:
清水さん には 難しい “Add an egg.” が、双子姉妹は 3回目位で 綺麗な英語で発音できました。
MPE: 子供たちは “Add and egg.” の発音が上手というよりも、 子音 と 母音が つながる * リンクサウンド を 体感レベルで理解しているんです。 これが 子供英会話、早期英語学習の メリットの一つです。
* リンクサウンド(Linking Sound) = リエゾン (liaison): (母音 (vowel) で終わる単語 + 子音 (consonant) で始まる単語など)2つの単語が連続して発音される際に、音が重なり、本来の単語にない別の音が生まれること 例) an apple は アナポー のよううに “n” と “a” の音がつながり “ナ ” の音になります。
清水さん: リンクサウンドの 意味は 理解しました。 でも 単語をリンクさせて英語を話すのは 難しいですね。 リンクサウンドにしないと アメリカ人は 英語を聞き取れないのですか?
MPE: そんなことはありません。 無理にリンクサウンドにしなくても 英語は通じます。 ただ、リンクサウンドが発話できないと、リンクサウンドが聞き取れない。 そういう * 仮説が 言語学にあります。その仮説 (hypothesis)は モーターセオリー(Motor theory of speech perception) と呼ばれます。 簡単に言うと、相手(アメリカ人)の 発話する英語の音と 自分(日本人)が発話する 英語の音が違いすぎると、聞き取れない ということです。
(後ろで双子姉妹の声) アダネーグ アダネーグ (add an egg)
二人とも、アメリカ人と 同じ音で英語を発話している。 だから 英語も聞き取れるんですよ。
ただ、一番大切な事は * 発音記号通り の発音を身に着けること。 発音記号 = 音声学 (Phonetics) の基本。 これを習得すれば 後は良い方向に進みます。
* 日本語と違って 英語の辞書には 必ず 単語毎に 発音記号・国際音声記号 (English IPA) が記載されています。 英語の 発音や アクセントの位置に関する ルールは、 日本語の 音よりも はるかに多様。 言語学から見ると、日本語の発音は ものすごく シンプルで法則的。 ですから 英語の発音は 日本人にとって 基本知識と 練習が必要なのです。
子供英語のヒント
– 英語の発音は 発話の回数に比例して 英語らしい音に変化していきます。* 繰り返しから習得する Repetitive Practice
– 英語のリスニング(聞き取り)が 苦手な人は、英語の 発音(フォニックス) と スピードを 改善すると、リスニングも段々と得意になるようです。
– 英語の発話では 単語のスペルよりも 耳で聞いた韻律(prosody) を 口(oral) で繰り返す。 英語を まとまり (chunk)として 体得します。 * ブロークン英語でなく、フルセンテンスの 英語操作力を
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フォニックスは大切。 でも本来目指す 英語操作能力 とは 切り離して考える
清水さん: 先生が 娘たちの レッスンの時、クックッ とか ヴッヴッ とか よく音を出していますが、あれが * フォニックス(Phonics) の基本なんですね。
MPE: はいそうです。
* フォニックス(phonics): 音素を規則化した発音教授法。 英単語を分解し、最小単位の音(* * 音素)から英語の発音を体得する方法で、子供英会話に取り入れられています。
* * 音素: 言語の音韻論上の最小単位。日本語の母音の音素は5種類(あ、い、う、え、お)ですが、英語の基本母音音素は12あります。
清水さん: フォニックスを子供の時 きっちり習得すれば 英語を話せるようになるんでしょうか?
MPE: フォニックスはあくまで 英語の口の作り方 であって、言葉を操る 言語操作能力は 別の方法を取り入れ 子供たちの 英語操作力を 伸ばしていきます。
清水さん: 発音の上手な子は 英語も上手に話せるものと 思っていました。 違うんですね。
MPE: 例えば ある 8才の女の子は フォニックス中心の英語教室に 通算5年通っていました。 その子は 発音がとても 上手で 早口言葉 (tongue twister) She sells seashells by the seashore. とか しっかり発話できるんです。 でも どういう意味? と聞いても よく分かっていない。 また これを疑問文や 現在進行形にすることが 難しいんです。
その女の子が悪いのでは ないんです。 フォニックスに偏りすぎると、英語操作力が 追いつかなくなるんです。 だから みんな 英語の決まり事(文法の初歩)が未消化で、ブロークン英語 になってしまう。 1回ブロークン英語の癖が ついてしまうと、子供の場合 直すのが 本当に大変なんです。
清水さん: うちの娘たちは みんな It’s とか He/She とか ちゃんと着けてるから ブロークン英語ではないんですよね。
MPE: フルセンテンスの発話を 心がけていますから、ブロークン英語ではありません。 単語単位の発音だけでなく、センテンスのイントネーション(抑揚)も、すごくいいと思います。 今は 6~8 words の発話が中心ですが、もう少し長いセンテンスも 頑張れば 英語で言えるはずですよ。 これが 英語の言語操作能力です。